漢方ドットコム 漢方薬ガイド

肩こり

漢方での診断と処方
肩こりの部位や程度、腹部の緊張度、随伴(他の症状が伴う)症状などによって処方が異なります。

くびの後ろから肩や背中にこりがあるときには、葛根湯などがよく使われます。みぞおちから肋骨弓にかけて張りがある場合(胸脇苦満)には柴胡剤が用いられます。

へその左下に抵抗と圧痛がある(小腹急結)かどうか、五十肩の場合は急性期か慢性期かなど、症状の組み合わせにより、処方が異なります。

よく用いられる漢方薬(一例)
実証
●葛根湯(かっこんとう)
   上半身の神経痛、くびの後ろから肩、背中にかけてこる、脈に力があり、胃腸がじょうぶで下痢をしない、汗があまり出ない場合に用いられます。狭心症などの心臓病や高血圧の人は医師に報告してください。

虚実間証
●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
   へその左下に抵抗と圧痛がある(小腹急結)人の肩こり、女性では月経痛がある人の肩こりに使用されます。

虚証
●桂枝加葛根湯(けいしかっこんとう)
   くびの後ろから肩、背中にかけてこる、汗が出ない人に用いられます。狭心症などの心臓病や高血圧の人は医師に報告してください。


花粉症

漢方での診断と処方
急性の細菌性胃腸炎では、病原菌を特定し、適切な化学療法と十分な水分補給を行うことが原則で、漢方は症状の軽減や体力回復のために用いられます。

よく用いられる漢方薬(一例)
実証
●葛根湯(かっこんとう)
   自然発汗がなく、頭痛、発熱、寒け、肩こりなどの症状がある人に用いられます。

虚実間証
●小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
   水っぽいたんや鼻汁、せき、呼吸困難、尿量減少、むくみ、胃内停水などの症状がある人に用いられます。

虚証
●麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
   微熱、寒け、頭痛、めまい、手足の冷え、全身倦怠感、せき、たんなどの症状かおる人に用いられます。


風邪

漢方での診断と処方
一般的に、「かぜには葛根湯」と思われがちですが、葛根湯は、かぜの初期やある程度体力のある人に向く処方で、すべての人に適しているわけではありません。その人の証、症状に合った処方を選択する必要があります。

とくに高齢者や高血圧、狭心症、心筋梗塞など循環器の病気がある人には、発作を誘発するおそれがあるため、葛根湯や麻黄湯など麻黄の入った薬剤が使えないことがあるので、必ず医師に相談してください。これらの漢方薬と他の薬剤を併用するときにも、同様の注意が必要です。

よく用いられる漢方薬(一例)
虚実不問(証にかかわらず)
●升麻葛根湯(しょうまかっこんとう)
   発熱、寒け、頭痛などがある、かぜの初期に用いられます。

実証
●葛根湯(かっこんとう)
   かぜの初期、くびから肩、背中にかけてこる、脈に力がある、胃腸がじょうぶで下痢がなく、汗があまり出ない人に用いられます。

虚実間証
●黄芩湯(おうごんとう)
   寒け、発熱、下痢、腹痛などの症状の、かぜによる胃腸炎に用いられます。

虚証
●桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
   頭痛、発熱、寒け、寝汗などのある人に用いられます。


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