がん治療で、標準治療と呼ばれる、抗がん剤治療、外科治療、放射線治療以外の治療方法を取り入れた医療が広がりつつあります。標準治療に加えて漢方療法や代替療法などを取り入れた「統合医療」を実践している医師による講演会『がん統合医療の実際と新たなる展開』が、有楽町の東京国際フォーラムで開かれました。今回の講演会には、講演順に台湾から郭文先生(台湾大学付属医院主任医師・臨床准教授)、日本の三好立先生(医学博士・銀座並木通りクリニック院長)、中国から孫苓献先生(北京振国腫瘍病院副院長)が出席されました。
がん治療で、標準治療と呼ばれる、抗がん剤治療、外科治療、放射線治療以外の治療方法を取り入れた医療が広がりつつあります。標準治療に加えて漢方療法や代替療法などを取り入れた「統合医療」を実践している医師による講演会『がん統合医療の実際と新たなる展開』が、有楽町の東京国際フォーラムで開かれました。今回の講演会には、講演順に台湾から郭文先生(台湾大学付属医院主任医師・臨床准教授)、日本の三好立先生(医学博士・銀座並木通りクリニック院長)、中国から孫苓献先生(北京振国腫瘍病院副院長)が出席されました。
まず初めに、国立台湾大学付属医院主任医師で臨床准教授の郭文宏先生が『天仙液による臨床試験の報告』と題して講演されました。郭先生の専門は乳腺外科で、今回、台湾大学付属医院に入院中の末期がん患者の人たちを対象として、漢方薬として初めての試みとなる、「天仙液」による臨床試験が行われました。
「天仙液」は世界各国のがん患者の人たちの間で広く利用されている抗がん漢方薬で、代替医療として効果があることから、より厳格な臨床試験で実証するため、同大医院で6ヵ月以上にわたる治療が行われました。講演では、その高い治療効果が報告されました。
がんの標準治療は高い治療効果をもたらす半面、患者側に副作用など大きな負担もあります。また末期がんなど手の施しようがない状態になると標準治療では対応できなくなってしまいます。
こうした状況は台湾でも同様で、天仙液の抗がん効果の検証と同時に、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を維持することについても検証されました。郭医師は、これまでことでの治療にうまく取り入れることで、従来以上の治療効果とQOLの向上が図れると述べました。
続いて、銀座並木通りクリニックの三好立院長から、がん難民にならないためにはどうすればいいかなどから、代替療法などを取り入れたり、少量の抗がん剤で治療効果を発揮している例などが報告されました。
中国の北京振国腫瘍病院の孫苓献副院長からは、抗がん漢方薬が海外の公的な機関で認可された状況について報告があり、その後、来場者との質疑応答が行われました。来場者の多くは「天仙液」をすでに使用している人が多く、それぞれのケースによる真剣な質問が寄せられました。
国立台湾大学医学院医学部卒業。国立台湾大学付属医学院主任医師、臨床准教授。専門は外科で、特に乳がん治療を行う乳腺外科の第一人者として活躍中。
率直にいって、乳がん患者への使用では、私たちの予想を超える素晴らしい効果が出ました。つまり、副作用が生じないという点で患者さん一人ひとりのQOLが向上しましたし、また免疫力を高めることができたと考えます。現在は、これまでの抗がん剤と天仙液を併用することによっても効果が出ていると考えます。
以前から民間では「天仙液」が広く使われており、効果が出てきていました。台湾大学でも既に、細胞株や動物実験で効果を検証していましたが、正式に認可を得なければならない、それを実証していくために臨床試験をすることにしました。ただ、患者さんに使うわけですから、1年を掛けていろいろな問題をクリアにして着手しました。
「天仙液」が代替医療の抗がん剤では初めての臨床試験です。2重盲検という検査法での許可をもらって行った唯一の治験です。
他病院での使用実績から乳がんによく効くことがわかりましたので、私たちの大学でも乳がんで臨床試験をしました。台湾では乳がん患者が増えている現状もあります。細胞株や動物実験では肺がんや大腸がんなどでの効果も認められており、今後は他のがんでも検査や使用をすると思います。
台湾でも西洋医療が中心なので、入院している患者さんにはあまり使われていません。でも、末期の患者さんには一般的な治療法は通用しない。そうした時に半分以上の患者さんは代替医療を求めています。代替医療を信用していない医師もいますので、それに対して臨床的に実証していかなければならない。そういう点でわれわれは努力しています。