慢性肝炎では胸脇苦満を重視します。みぞおちから脇腹にかけて、かたく張って圧痛があり、重苦しく感じることで、これに応じて処方が選択されます。疲れやすい、舌に厚く白い苔状のものが生じる、唾液がねばつく、口が苦い、食欲不振、吐き気、黄疸などの症状の程度も、選択の基準になります。
なお、C型肝炎の場合、柴胡剤とインターフェロンの併用で間質性肺炎が発症した例があります。また、甘草の入った処方とグリチルリチン製剤との併用で偽アルドステロン症(高血圧、むくみ、ミオパテーなど)を発症することがありますので、医師によく相談する必要です。
がっちりした体型で便秘がち、肩こり、起床時に口中が粘り苦い、食欲がないという人によく用いられます。腹力が充実して胸脇苦満があるのが用いる目安です。脂肪肝、アルコール性肝炎でよく用いられます。
体力中等度かそれ以上で、のどか渇いてよく水を飲み、汗が出やすく、尿の出が悪い、黄疸があるなどの症状があるときに用いられます。
下腹部に抵抗感と圧痛(瘀血)がある人、月経異常のある人に。より進行した肝炎に用いられます。
小柴胡湯とほぼ同じですが、やや体力が低下して、多少のぼせやすく、上半身に汗をかきやすい人に用いられます。
体力中等度で、胸脇苦満。起床時に口中か苦く、歯を磨くと吐き気かする人で、便秘傾向がなく、腹力が中程度の人に用いられます。
胸脇苦満は軽く、疲れやすい、根気がない、食欲かない、不眠などの症状がある人に用いられます。
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