症状別/漢方薬ガイド
めまい

めまいのイラスト

漢方での診断と処方

漢方においては、めまいは水滞(体内の水が滞る、バランス不良の状態)によっておこると考えられています。そしてその水滞は、耳の奥で平衡感覚をつかさどる内耳という部位や、他の部位で水の流れが部分的に悪くなっているのが原因とされます。水滞に使われる漢方薬は利水剤と呼ばれていて、体内の水の過不足を改善しながら、全体としての正常化をもたらします。また、血が滞った状態の瘀血がめまい症状に関連していることもあります。

よく用いられる漢方薬

【虚実不問(証にかかわらず)】

五苓散(ごれいさん)

口の渇き、吐き気、下痢、尿量の少ない人に用いられます。

【実証】

通導散(つうどうさん)

下腹部に圧痛、便秘がち、月経痛、高血圧の人のめまいに用いられます。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

のぼせ、便秘がち、精神不安、高血圧傾向の人に用いられます。

女神散(にょしんさん)

のぼせ、精神不安、産前産後、月経不順、血の道症の人のめまいに用いられます。

【虚実間証】

加味逍遥散(かみしょうようさん)

虚弱な女性の更年期障害、めまい、肩こり、疲れやすい、精神不安などの症状がある人に用いられます

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

冷え症、のぼせ、女性では月経不順のある場合に用いられます。

釣藤散(ちょうとうさん)

頭痛、肩こり、のぼせ、不眠などをともなう人に用いられます。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

気分がふさぎがち、のどや食道に異物感がある人に用いられます。

【虚証】

真武湯(しんぶとう)

全身倦怠感、手足の冷感、下痢、腹痛などの症状がある人に用いられます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

冷え症で貧血傾向のある人、月経不順の場合に用いられます。

半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

胃腸が弱く、冷え症の人に用いられます。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

息切れ、動悸、頭痛、のぼせ、尿量減少などのある人に用いられます。

※【実証】【虚実間証】【虚証】について詳しくはこちら