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血液中にはコレステロール、燐脂質、トリグラセイド(中性脂肪)、遊離脂肪酸という4種類の脂質(脂肪)が存在し、血清脂質と呼ばれています。この血液中の脂質の量が異常に多い状態を高脂血症または高脂質血症といいます。また、血液中の脂質はリポたんぱくの状態で存在しているところから、高リポたんぱく血症ともいいます。 |
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4種類の脂質のうち、コレステロールが多い状態を高コレステロール血症、トリグラセイドが多い状態を高トリグラセイド血症といい、高脂血症と呼ぶときはこのどちらかの状態にあるか、両方の状態にある場合を指しているのが普通です。遊離脂肪酸の高い状態も高脂血症とすべきだという説もありますが、前2者と臨床的意味が異なり、別に扱われています。
コレステロールは、人間の身体になくてはならないものですが、基準値より高い(血清中の脂質の量が多すぎる)場合には「高脂血症」と診断されます。
血液中のコレステロール(血清コレステロール)には、大きく分けてLDLコレステロール(低比重リポたんぱく)とHDLコレステロール(高比重リポたんぱく)の2種類があって、このふたつを合わせたものを総コレステロールといいます。 |
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一般に高脂血症になっても自覚症状がないため、放っておくと知らない間に動脈硬化を進行させてしまい、心筋梗塞や脳梗塞などの病気になってしまうこともあります。。
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高脂血症の原因 |
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●生活習慣
高脂血症は、生活習慣病のひとつといわれるように、食生活や運動などの生活習慣が原因になることがあります。この場合は、生活改善が必要になってきます。
●糖尿病などの病気
糖尿病、肥満、内分泌の病気、腎臓病などの影響で高脂血症になることがあります。この場合には、元になる病気を治療することが高脂血症の改善に役立ちます。
●体質的要因
高脂血症を招きやすい病気がなく、生活習慣に問題がないのに総コレステロール値や中性脂肪値が高い場合には、体質的要因の影響が大きいと考えられます。この場合の治療は、薬物療法が行われます。
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血液中のコレステロールや中性脂肪が必要以上に多くなった状態を「高脂血症」といいます。多くの場合、自覚症状がないため、知らない間に動脈硬化を促進させ、「心筋梗塞」や「脳梗塞」などの病気を引き起こす恐れがあります。しかし、きちんと治療していれば、恐れる必要のない病気でもあります。治療の基本は食事や運動ですので、生活習慣を見直すことが大切になってきます。
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LDLコレステロールとは? |
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肝臓から動脈を介して全身の組織へ分配されるコレステロールで、動脈血中のこのコレステロールの量が多いと、動脈壁をはじめいろいろな臓器に蓄積し、障害を起こします。通常、悪玉コレステロールと呼ばれており、血液中にこのコレステロールが異常に多い状態を高コレステロール血症といいます。
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HDLコレステロールとは? |
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全身の組織から静脈血を介して肝臓へ回収されているコレステロールで、血液中にこのコレステロールが多いことは、全身の組織から余分なコレステロールが取り除かれていることを意味します。善玉コレステロールとも呼ばれ、このコレステロールの血液中の量が異常に少ない場合は、全身の組織から余分なコレステロールが十分に取り除かれていないわけで、この状態を低HDLコレステロール血症といいます。
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高脂血症の重症度の分類 |
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総コレステロール
(mg/dl) |
トリグラセイド
(mg/dl) |
LDLコレステロール
(mg/dl) |
HDLコレステロール
(mg/dl) |
正常値 |
160~219
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50~149 |
80~139 |
70~40 |
Ⅰ度(軽度) |
220~259 |
150~299 |
140~179
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39~35 |
Ⅱ度(中等度) |
260~299 |
300~749 |
180~219 |
34~30 |
Ⅲ度(高度) |
300~ |
750~ |
220~ |
29~ |
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高脂血症の治療は、生活改善、運動療法、食事療法、薬物療法の4つの方法を組み合わせて行います。
まず生活の改善、運動療法、食事療法を行ってみて、十分な効果が上がらなければ薬物療法を追加するというのが原則です。また、喫煙、肥満、糖尿病などは、高脂血症を促進する危険因子です。とくにこれらの危険因子がある人は、早めに治療を開始しましょう。
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生活の改善 |
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●精神的・肉体的ストレスは、コレステロール値を上昇させます。できるだけストレスを避けるようにし、趣味を持つなどして、ストレス解消を心がけましょう。
●喫煙はHDLコレステロール(善玉コレステロール)を低下させます。禁煙や節煙が必要です。
●運動不足や肥満はトリグラセイド(中性脂肪)を上昇させ、HDLコレステロールを低下させます。
●生活スタイルが変わらない限り高脂血症は治りませんので、自分の生活習慣を見直すことが高脂血症治療につながります。 |
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運動療法 |
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運動不足がトリグラセイドを増やすのは、消費されるエネルギーが少ないために、糖質などのエネルギー源がトリグラセイドに変えられて体内に蓄積されるからです。身体を動かし、大きな筋肉を使う運動を増やすと、トリグラセイドの中の脂肪酸がエネルギー源として消費され、結果的にトリグラセイドが減少します。また、大きな筋肉を使う運動を行うとHDLコレステロールが増えることが知られています。ウォーキングなど、苦しくない程度の運動を毎日20分前後続けると効果的です。 |
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運動療法 |
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高脂血症は、食事内容と深い関わりを持っていることが多いのです。
<高コレステロール血症の食事療法 >
●動物性脂肪をとり過ぎないようにする。(動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く含まれており、コレステロールを増やしてしまいます。)
●植物性脂肪(サラダ油やマーガリンなど)には多価不飽和脂肪酸が多量に含まれており、コレステロールを低下させる働きをするので、適度にとるようにする。
脂質の摂取 飽和脂肪酸1:不飽和脂肪酸2 の割合が理想 |
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