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漢方医療(中医療)と西洋医療が融合した中西医結合医療

■標準治療にプラス漢方医療が注目

中国では近年、「中西医結合医療」が実践されています。この中西医結合医療とは、西洋医療の診断や手法、治療も取り入れ、漢方医療の漢方薬による治療を中心として施す医療モデルです。がんをはじめとする生活習慣病、慢性疾患に対する治療戦略として、中国政府が「中西医結合医療」を宣言してから、漢方医学が西洋医学と共に学校教育・医師の資格・医療制度などの面で同じような体制をとり、「漢方医学」「漢方薬」発展の礎となっています。

▲中西医結合医療のモデル図

▲香港大学中医薬学院主催の『中西結合医療によるがん治療と予防』講演会

特に、特効薬を見出せないでいるがん治療の分野において、近年、新しい治療戦略として「中西医結合医療」という方向性は、中国のみならず、欧米や日本でも注目されているのです。どうしてがん治療に中西医結合医療が注目されているかというと、がん治療の現場では、現状の手術、化学療法(抗がん剤)、放射線治療という標準治療への手詰まり感が指摘されているからです。

■『中西医結合医療によるがん治療と予防』
国際会議

このような状況を打破しようと、西洋医療の長所と漢方医療(中医療)の長所を結びつけた新たな治療法として、「中西医結合医療」を実践している病院、医師が多くなっています。

こうした流れの中で、漢方を中心としたがん治療の研究成果を発表する国際会議『中西医結合医療によるがん治療と予防』が、香港大学中医薬学院主催で開催されました。この国際会議には、中国、台湾、アメリカなどから、漢方療法をメインとした中西医結合医療の臨床研究、治療を実践されている23人の医師、研究者が、その成果を発表しました。それほど世界的にみても、中西医結合医療が注目されているといえましょう。