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漢方では病気を診断するのに、「気・血・水」という漢方独特の見立て方を行います。
身体は気(カラダを動かすエネルギー)・血(血液の循環)・水(水分バランス、代謝がよい状態)の3要素が体内循環することで維持されると考えられます。この3要素が偏ったり、滞ったり、不足したときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられ、これが漢方の根本的な考えです。それぞれのはたらきは下に記したとおりです。
気 |
目には見えない生命エネルギー。「元気」、「気力」、「気合い」の気です。
「自律神経」の働きに近いと考えられています。 |
血 |
全身をめぐってさまざまな組織に栄養を与えます。主に血液を指します。 |
水 |
血液以外の体液全般に相当し、
水分代謝や免疫システムなどに係わっているものとされています。 |
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冷え性タイプか、暑がりタイプかによって献立は異なってきます。
たとえばバナナ・玉ねぎ・ジャガイモそれぞれ一個で同じ80キロカロリーですが食質は別となります。
バナナ |
寒 : 体を冷やし、熱を除く。鎮静効果、炎症を抑える働きがある。 |
タマネギ |
温 : 体を温める。新陳代謝を盛んにする働きがある。 |
ジャガイモ |
平 : 温にも寒にも偏らない。滋養・強壮作用がある。 |
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春夏秋冬、旬の季節の食べ物と体調の関係は深く、薬膳食品と組み合わすことで、免疫力アップを期待できます。
春 |
タラの芽、セロリ、フキノトウ等の苦味の食品は、
冬の間にこわばった筋肉を ほぐし、体を目覚めさせます。 |
夏 |
体を冷やし、余分な水分を出してくれる利尿作用の働きがある
ナス、トマト、 とうがん、キュウリで涼をとり、夏を元気に乗り切ります。 |
秋 |
北風で痛めがちなノドを潤し肺をあたためる働きのある
秋大根、蓮根、梨、 銀杏で体調を整えます。 |
冬 |
体を温める効果のある人参、山芋などの根菜類、肉を少し多めに食べて
寒さに負けないようにエネルギーを蓄えます。 |
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いわゆる五つの味は、体調に変化をもたらします。
暑い季節には苦いビールがたいへんおいしく感じられ、体が疲れたときは甘いものが欲しくなるように、体が求める味を健康維持に生かします。
酸(すっぱい)、苦(苦い)、甘(甘い)、辛(辛い)、鹹(塩辛い)の五つの味に分け働きます。
※日常私たちが使っている「味」とは異なります。
酸(すっぱい) |
良 : 血液浄化、筋肉の引き締め、寝汗、下痢、頻尿に有効。
悪 : 撮り過ぎると胃腸を弱める。 |
苦(にがい) |
良 : 体内の熱や余分な水分をとり、めまい、咳などに有効。
悪 : 撮り過ぎると風邪をひきやすくし、皮膚の光沢を悪くする。 |
甘(あまい) |
良 : 体力の衰えを補って緊張を緩め、滋養強壮の働きがある。
悪 : 撮り過ぎると体がだるくなり、髪が抜ける。 |
辛(からい) |
良 : 体を温めて、血の巡りをよくして、発汗作用がある。
悪 : 摂り過ぎると爪が弱くなり、筋肉がひきつりやすくなる。 |
鹹(しおからい) |
良 : 体の中のしこりを和らげ、潤し、軟化させ、便秘を改善。
悪 : 摂り過ぎると血液が粘り、血圧が上がりやすくなる。 |
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