動脈硬化症は、加齢とともに徐々に進行していきます。けれども、これにいろいろな要因が加わり進行が早まりますと、脳卒中や心筋梗塞、狭心症などの病気を引き起こす原因となります。そこで、動脈硬化症はどんな病気か、予防法、治癒法まで紹介します。
高血圧症が存在すると、動脈壁に絶えず高い圧力がかかり、内膜が傷つきます。そしてそれが治り、再び傷つきくといったことを繰り返すことで粥腫(アテローム)ができやすくなります。また、細動脈が痙攣収縮するために小動脈瘤ができてきます。
高トリグリセライド血症の人は、動脈硬化を予防するHDLコレステロールの値が低いことだけでなく、糖尿病や肥満を合併したり、尿酸値が高くなっています。つまり、動脈硬化を発生、進行させる危険因子が加わりやすいのです。
血液中の中性脂肪やコレステロールの値が高い人が多く、とくに動脈硬化を予防するHDLコレステロールの値が低いことが挙げられます。また血糖値が高いために血液の粘度が高く、血栓を生じやすいことなど、さまざまな因子を含んでいる怖い病気です。
ストレスが続くと、動脈硬化の危険因子となる高血圧症や、高脂血症、糖尿病を誘発する恐れがあります。また、血液が固まりやすくなり、血栓ができやすくなります。 攻撃性の強い性格の人などは、穏和な性格の人に比べてストレスを受けやすく、血圧が上がり、糖尿病、高脂血症などを悪化させます。さらに、狭心症の発生率も穏和な人に比べて7倍も高いといわれています。
運動不足が続くと血液中の中性脂肪の値が高くなり、動脈硬化を予防するHDLコレステロールの値が低くなるほか、肥満を助長し、動脈硬化を発生、進行させます。
もし肥満体の人であれば1日のカロリー摂取量に注意して、食べ過ぎないようにすることが大切です。肥満は動脈硬化の危険因子であると同時に、高血圧症や高脂血症、糖尿病の危険因子でもありますから注意が必要です。逆にいえば標準体重に戻すことができたなら、それらの病気を解消できる場合も少なくありません。
ニシンやイワシ、サバなどに含まれる多価不飽和脂肪酸は、中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあるうえ、血小板の働きを抑えて、血液が固まりにくくすることもわかっています。
食物繊維は小腸でのLDLコレステロールの吸収を阻害し、排出する働きがあります。ミカンを薄皮ごと食べたり、ゴボウなどセルロースの多い野菜類、またペクチンやリグニンなどを含む海藻類、さらにはキノコ類などを十分にとるようにしましょう。
糖分のとり過ぎもよくありません。1日30g以上をとると中性脂肪が高くなり、動脈硬化を予防するHDLコレステロールが低下してしまいます。また果物は身体にいいとされていますが、意外に果糖が多いので注意が必要です。
塩分のとり過ぎは血圧を上昇させて細動脈硬化を招くほか、脳出血や胃ガン、腎臓病などを起こしやすくします。麺類のスープや、漬け物を残すようにするなど心がけ、塩分の摂取量を控えるようにしましょう。
適量の飲酒はHDLコレステロールを増やし、動脈硬化の予防にもなりますが、高血圧症や細動脈硬化の人が深酒を続けると脳卒中を起こしやすくなりますから、飲み過ぎに注意しましょう。日本酒なら1日1合、ビールなら1本、ウィスキーならダブル1杯程度を、タンパク質を中心としたつまみを食べながら飲むことをおすすめします。
動脈硬化の危険因子は様々ありますが、そのなかでも大きな影響を及ぼしているのが活性酸素とLDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールです。これらふたつが結びつくことによりって悪玉コレステロールが酸化し、動脈硬化を助長する結果を招きます。そこで、これらが結びつくことを妨げられれば、動脈硬化の予防に繋がります。 つまり、活性酸素と悪玉コレステロールが結びつく前に、活性酸素と結びつく成分があればいいのです、その役割を果たしてくれるのがポリフェノールです。
花びら、果実の皮や種、茎など、光合成を行う植物に存在します。ポリフェノールは種々様々な色彩の花びらを作る成分であり、昆虫などの外敵によって分泌された毒を無毒化させる抗酸化物質です。 ポリフェノールとは、化学構造中にフェノール水酸基が3個以上含まれる物質の総称で、約4000種類あります。では、代表的なポリフェノールがどんな食品に含まれているかをみてみましょう。
赤ワインをよく飲んでいる欧州の人たちは喫煙率も高く、また肉やバターなどの動物性脂肪をたくさんとるので、動脈硬化を誘発させる因子が高いことがわかります。しかし、アメリカなどに比べると動脈硬化が進行した脳卒中や心筋梗塞の割合がはるかに少ないデータがあります。日本人も緑茶を多く飲んでいますが、脳卒中や心筋梗塞などは赤ワインを飲んでいる地域の人々に比べるとまだまだ多いのが現状です。それはなぜでしょうか?じつは、赤ワインには緑茶の4倍もの抗酸化作用があるからなのです。