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漢方ドットコムトップ > 病気について学ぶ > 「高血圧症」について

病気について学ぶ

高血圧症

高血圧症は、循環器の病気の一種です。循環器の病気には大きく分けて二つあります。血圧の異常で生じる病気が、ここで紹介する高血圧症や動脈硬化症などで、血管、心臓の異常で生じる病気が、心筋梗塞、狭心症などのいわゆる心臓病です。脳の血管に異常が生じる病気が脳卒中(脳血管疾患)であることは「脳卒中」の項で説明した通りです。

高血圧症は、症状が進行すると、いろいろな病気に発展してしまうので注意が必要です。脳卒中はもとより、心筋梗塞、狭心症などの原因となります。

 
矢印 循環器病について
矢印 高血圧症とはどんな病気か
矢印 高血圧症の原因と症状
矢印 高血圧症では?と思ったら
矢印 高血圧症の予防法

 

循環器病について

 

病院で「循環器科」とよく目にしますが、どのような患者さんを診ているのかご存知ですか?
「循環系」とは血液を全身に循環させるシステムのことで、血液を送り出すポンプ役の心臓や、血液の通り道である血管など、循環系と深くかかわっている臓器のことを「循環器」といいます。つまり、「循環器病」とは、それらのシステムに何らかの障害がおきて、正常にはたらかなくなることで、血圧の異常で生じる病気には、高血圧症、動脈硬化などがあり、血管の異常で生じる病気には、心筋梗塞、狭心症などの心臓病があり、脳の血管に異常が生じる病気が脳卒中(脳血管疾患)なのです。


循環器病は生活習慣と深くかかわっています。生活習慣病とは生活習慣が原因でおこる病気のことで、5大生活習慣病といわれているのは以下の通りです。

5大生活習慣病
1位  悪性新生物(ガン)
2位  心疾患(心臓病)
3位  脳血管疾患(脳卒中)
4位  糖尿病
5位  高血圧
 
循環器病とは心疾患と脳血管疾患(脳卒中)

循環器病の主な病気は2位の心疾患(心臓病)、3位の脳血管疾患(脳卒中)の二つをまとめたものを指します。また日本の死因のトップ3も上記の1位~3位と同様です。そして、2位の心疾患と3位の脳血管疾患の死因を足すと、1位のがんとほぼ同数になります。突然死の60~70%は心臓病が原因、寝たきりの約30%は脳卒中が原因ともいわれています。このように循環器病は、命が助かったとしても後遺症が残ることが多く、日常生活に大きな支障をきたします。

日本人の死因
死亡数グラフ

循環器病の危険因子といわれる高血圧、高脂血症などは動脈硬化を誘発し、動脈硬化が心筋梗塞や脳血管疾患(脳卒中)などにつながります。また、一つの危険因子が発症すると、他の危険因子も誘発しやすくなります。いま現在、いずれかの危険因子に該当する人は、こまめな健康診断などで自分の症状を確認することをお勧めします。

循環器病は突然、発症するというイメージがありますが、生活習慣を改善するとその発症率や死亡率は大幅に減少します。後遺症が残ると、治療のためにたくさんの費用や労力が必要になります。個人的にも社会的にも計り知れない負担がかかってきます。危険因子をもっている人は生活習慣を改め、健康的な生活を心がけましょう。

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高血圧症とはどんな病気か

「高血圧症って、いつも血圧が高い人のことをいうんでしょ」なんて思っていませんか?確かに血圧が高い人のことをいうのですが、それだけではないのです。
症状が進行すると、重大な病気に発展しかねないので注意が必要です。それでは高血圧になる仕組みを解明してみましょう。

アイコン 血圧とは?

全身の隅々まで流れている血液は、必要不可欠な栄養素を全身に行き渡らせ、不要な物質を運び去る働きをしています。この血液を送り出しているのが心臓です。心臓が動脈に血液を送り出す力によって、血液が動脈の内壁を押し広げる力も違ってきます。そして、この力を血圧といいます。
動脈の血圧は心臓が収縮したときにいちばん大きくなり、これを最大血圧と呼びます。また、心臓が拡張するときにいちばん小さくなりますが、これを最小血圧と呼びます。

アイコン 高血圧と呼ばれるのは、どのくらいの数値?

日本人の4人に1人。50歳以上だと2人に1人が高血圧といわれています。さて、いったいどのくらいの血圧が高血圧といわれるのでしょう。下の図をご参照ください。

血圧の読み方

アイコン 高血圧症とは?

1回の測定で標準だったからといって安心してはいけません。逆に、1回の測定で血圧が高かったからといって『高血圧症』とはいえません。血圧というのは、環境によって大きく変動します。
数回測定し、そのだいたいの平均値が自分の血圧だと認識してください。数回の測定結果の平均値が最高血圧140mmHg以上、あるいは最低血圧90mmHg以上だった場合、高血圧と診断されます。

アイコン 高血圧症にも種類がある?

高血圧症には2種類あります。『二次性高血圧症』と『本態性高血圧症』です。

二次性高血圧症
血圧上昇の原因が病気によるものであるとはっきりしている場合、この高血圧症ということになります。原因となる病気は、慢性糸球体腎炎や慢性腎孟腎炎などの腎臓病や、原発性アルドステロン症やクッシング症候群などのホルモンの病気、また腎動脈狭窄、副腎腺腫、褐色細胞腫などのように外科手術が必要なものもあります。
二次性高血圧症では血圧を下げることよりも、その原因となる病気の治療が大切です。

本態性高血圧症
血圧上昇の原因がはっきりとわからないものを指します。高血圧症の90%以上がこの本態性高血圧症に該当します。比較的症状がないので、検査をしても血圧が高いことしかわかりません。また家族に高血圧症の人がいると、高血圧症になる確立が高いというデータもあるように、遺伝的な問題もあります。
しかし、最近では研究が進み、生活習慣が原因ともいわれています。さらに症状が進行すると、さまざまな合併症を引き起こします。その代表格が動脈硬化になります。その結果、脳出血や脳梗塞などの脳卒中、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、または腎硬化症、大動脈瘤、眼底出血などの疾患を引き起こす可能性もあります。

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