食道ガンは、食道の内側粘膜の表面にある上皮から発生します。上皮は扁平上皮で構成されているので、90%以上の食道ガンが扁平上皮ガンです。 ガン細胞の増殖が進むと、食道の壁を作る筋肉に入り込んでいきます。さらに大きくなっていくと食道の壁を貫き、食道の外にまで広がります。食道の周囲には、気管・気管支や肺、大動脈、心臓など重要な臓器があるので、ガンがさらに大きくなるとこれらへ広がっていきます。 また、食道にはリンパ管や血管が多く、ガンはリンパ液や血液の中に入り込んで別のところへと転移します。リンパによって転移したガンは、リンパ節で塊を作ります。腹部などのリンパ節に転移することもあるようです。血液に入り込んだガンは、肝臓、肺、骨などに転移します。 発生要因(危険因子)として喫煙、飲酒、熱い飲食物の嗜好などが関連するといわれています。症状のない食道ガンも少なくないようです。近年では健康診断で内視鏡検査などが行われるようになり、早期段階で発見されることが多くなっています。