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病気の正体を知る/病気について学ぶ
「ガン」

日本人の死因の第1位はガンです。厚生労働省の人口動態調査によると、年間の全死亡者数にガンの占める割合は25%で4人に1人はガンで亡くなっていることになります。なかでも40歳代から60歳代にかけてのガンによる死亡者数は3人に1人となっています。では、ガンとはどういう病気かを知り、その予防法、治療法などを紹介します。

 
ガンとはどんな病気か
様々なガンについて
ガンを予防するには
ガンに関するデータ
様々なガンについて

ガンの種類

ガンには病態により様々なガンの種類があります。知りたいガンの種類を選択してください。
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ガンでは?と思ったら

身体のどこかに異常を感じて、もしかすると「ガン」ではないかと考えたり、健康診断で異常が見つかったときには、死の不安を感じたり、絶望感が胸をよぎるようなことがあるのではないかと思います。

気がかりなことや、心配事は一人で悩んでいるとどんどんとマイナス方向にしか考えられなくなってしまいます。一人で悩んでいるよりは、誰かに話してみることで、自分の気持ちが整理でき、楽になれる場合も少なくありません。

周りに相談できる人がいなくても、ガン患者会の相談室など、現在は電話などで相談できるところがあります。なかなか病院に行けない。そういうときもほかの人に相談することで、気持ちに何らかの変化が起こるかもしれません。

~ 信頼できる医師を探す ~

まず身体に異常を感じたら、いつも行っている診療所や病院があるなら、主治医に診てもらってください。検査などが必要であれば、その検査設備のある大きな病院を紹介してもらえます。主治医からの紹介だと、行ったことのない病院でも、不安が少なくてすむはずです。

自分で精密検査を受ける病院を選ぶ場合は、何回かは通院したり、検査入院したりする可能性もありますので、比較的家から近いところが便利でしょう。近所に適当な病院がない場合は、いろいろ情報を集めて選ぶことになります。

いずれにしても大切なのは、その病院の先生と出会ってみて、信頼できるかどうかだといえます。医師も人間ですので、ウマが合う、合わないというものがあります。自分にとって「ウマ」が合う先生がいいと思います。自分で納得できなければ、診断も信じることができないでしょう。しかし、受診していく過程で医師に対して信頼できなくなるケースも少なくありません。そのときはセカンドオピニオン(違う医師に診てもらう)を得るようにしてください。

~ 勇気を持って伝える ~

まず、受診の理由を聞かれるのが普通です。受診の理由は包み隠さず、先生に正確に伝えて下さい。気になる症状、痛みの有無、どんな痛みか、現在ある症状に対して何か治療を受けたことがあるか、現在飲んでいる薬についてなど、また過去にかかった病気や、親族の病気についても質問されるのが普通です。

症状によって異なりますが、医師はひととおり話を聞いてから診察をします。このときは、一応全身の状態を診ます。診察中に何か違和感を感じたり、痛みがあったりした場合には、がまんしたり、遠慮しないで医師に伝えて下さい。それが診断の際の大きな手がかりになります。

~ 納得のいく治療のために ~

ガンではないかという心配として病院を訪れた場合、そのことをはっきりと伝えてあれば、医師のほうではほとんど問題ないと思っても、患者の安心が得られるように「念のため検査をしましょう」ということが多いと思います。なかには「検査をする」ということで、「自分はガンだ」と思いこんでしまう人もいますが、そんなことはありません。検査は結果がでるまでははっきりとしたことは言えません。

しかし、検査は「なんのために・どのようなことをするか・苦痛を伴うか・どのくらい時間がかかるか・それで何がわかるか」などを十分納得した上で受けられたほうがよいと思います。「すべて医師まかせ」はお勧めしません。自分で納得、決断し、そのうえで専門家といっしょに検査していきましょう。

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一昔前までは、ガンは本人には告知をしないことが一般的でした。なぜなら、「ガンは治らない病気」であり、死に至る病気だと言われていたからです。しかし、現在では医療技術の発達や治療法が進歩発展してきたこと。また、苦痛を緩和する方法もいろいろと開発されてきたことなどにより、「ガンは治る病気」に変わりつつあるなかで、必ずしも死に結びつくものではないと考えられ、以前ほどは恐れられなくなってきました。

それに加え、自分の病気を「医者まかせ」にすることではなく、自分の問題として取り組む心構えとして、「知る権利」が強調されるようになり、医師が本人に告知するケースが多く見られるようになりました。告知の後、医師からは治療方法やその後の経過について説明があり、本人自らが選択、決断をして治療を受けることもできるようになりましたが、実際には難しい問題を含んでもいます。


●検査や治療が行いやすい

視点 利点 欠点
患者側
生理学的
治療に対して協力的になり、自ら前向きに治療できる
不用意に告知すると、患者は混乱に陥り、適切な対処ができずかえって予後を悪くする
治療後の再発や転移に気づきやすくなる
心理社会学的
家庭や職場などの社会的問題を処理し、身辺整理ができる
人によっては闘病意欲を失い、自暴自棄になったり、急に子供のように甘えるなどの退行反応を起こす
上手に告知されると、かえって落ち着く患者が多い
家族の側からみると、嘘をつかれなくてすみ安心感が得られ、付き添いやすくなる
生命倫理的
充実した時間や余生を過ごすことが可能となる
人によっては自殺を企てる
生きてきた証や、ライフワークの完成に努めることができる
人生の総括ができる
医療側
生理学的
病態について説明しやすい
-
  -
定期的診察が可能となる
治療を中断する患者がいる
心理社会学的
秘密がなくなり、嘘をつく必要がないことで気持ちが楽になる
-
患者の相談に乗りやすい
-
告げないことにより生じる、医事紛争などの心配から解放される
人によっては告知前より対応が難しくなることがある
(医療側に怒りを示すこともある)
生命倫理的
最後まで充実した生が送れるような治療や、ケアがしやすい
-
患者と医療者関係が、より緊密になり信頼関係が強まる
告知後のフォローを十分にしなくてはならない。そのためチーム・プログラムが必要となる
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■セカンドオピニオンの意味

セカンドオピニオンを得ることで、別の医師がまったく違う治療法を教えてくれるかもしれないので、それまでとは異なった希望や可能性を得る可能性が出てきます。また、自分がいまもっとも効果的な治療を受けているかどうかを確認することも可能となります。すべての医師でも何もかも知っているのではありませんし、いつでも正しい判断を下すことができるわけでもないのです。

 

■セカンドオピニオンを得る方法

納得した上で診療を受けるためには、主治医の説明を十分に聞くことが大切です。しかし、大きな決断が必要なときなどには、ほかの医師や専門医に相談することが役立つ場合もあります。「セカンドオピニオン」が必要と思われたときに主治医にその旨を申し出るわけですが、良心的な医師であればすぐに準備をしてくれるはずです。

各地の医師会では、患者が現在かかっている医療機関からほかの医療機関へ行く場合、医師から医師へ情報を伝える「診療情報提供書」という書類を作ることを奨励しています。これがあれば、基本的に全国どこの病院でも診てもらえるとしています。公的機関でも情報公開の義務を医師に通達していますので、「セカンドオピニオン」を希望する際には堂々と言いましょう。患者が主体の医療であることを忘れないことです。

嫌な顔をする医者や腹を立てる医者なら、診療を断ったほうが身のためかもしれません。生命にかかわる場合もありますので、勇気を出して「セカンドオピニオン」を申し出ることです。

 

■診療情報の開示・提供に関するアンケート調査結果

下記の表は、日本病院会会員病院(2588施設)にアンケートを行った結果です。

診療情報管理体制(複数回答)

アンケート内容 度数
専任・常勤の診療情報管理責任者(例:医療情報部長、診療録管理室長)がいる。 119 16.0%
診療情報管理士(診療録管理士)資格保有者がいる。

233 31.4%
診療録管理体制加算(入院初日30点)を受けている。
161 21.7%
カルテ開示、医療情報提供に関する委員会がある。
308 41.5%
カルテ開示、医療情報提供に関する、独自の規約・ガイドラインを持っている。 323 43.5%

提供型診療情報開示のシステム(複数回答)

アンケート内容 度数
カルテ(医師診療録)のコピーを渡している。 52 7.0%
カルテに代わる文書(カルテ内容を別途記したもの、サマリーなど)を渡している。 79
10.6%
患者が自分のカルテを自由に閲覧でいるようにしている。 47
6.3%
看護記録のコピーを渡している。 26
3.5%
看護記録に代わる文書(看護記録を別途記したもの、サマリーなど)を渡している。 39
5.2%
患者が自分の看護記録を自由に閲覧できるようにしている。 24
3.2%
治療計画書(患者様様クリニカルパスなど)を渡している。 381
51.3%
処方された薬について、効能、副作用などを帰した文書を渡している。 440
59.2%
処方された注射などについて、効能、副作用などを記した文書を渡している。 82
11.0%
実施される検査の目的、実施方法、侵襲・副作用を記した文書を渡している。 191 25.7%

各医療施設におけるセカンドオピニオンに対する対応(複数回答可)について

アンケート内容 度数
院内に、セカンドオピニオンに対する規約・取り決め(明文化されたもの)がある。 14 1.9%
職員(特に医師)に対して、患者からのセカンドオピニオンに要求に肯定的に対応するよう指導している。 340 45.8%
患者に対して、セカンドオピニオンの制度があることを告知・説明している。 37 5.0%
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患者主体の治療のために

近年、患者主体の治療を心がける病院が多く見られるようになってきました。が、インフォームド・コンセントとは、単なる「医療側の説明と、それに対する患者の同意」を意味するだけのものではありません。医学的に合理性がある範囲で「患者の求める最善の医療を尊重する」ことです。医療者側と患者、あるいはそのの家族とのコミュニケーションも大切なことなのです。

 

医師の話を聞くときのポイント

  • 必ず予約を入れる
    (医師は多忙です。時間を確保してもらい、十分なインフォームド・コンセントに臨みましょう)
  • 説明は一人で聞かずに、複数人で聞く
    (一人だと、何事も決めつけてしまいがちになります。家族や知人の冷静な判断も大切です)
  • 説明の内容はメモをとる。または医師の了承を得てテープレコーダーで録音する
    (セカンドオピニオンを取る際、テープがあれば概略はまとめておくことができます)
  • 専門用語が多くてわかりにくい説明も、きちんと理解できるまで聞くようにする
    (専門用語や難しい説明は知らなくて当たり前ですが、少し事前に勉強しておいたほうが、その場での説明もわかりやすくなります)
  •  

    インフォームド・コンセントで医師に聞くべきことは?

  • 自分の症状をつつみ隠さずに、主治医に正しく伝える。
    (メモに書いておくと説明しやすいでしょう。たとえば、何を食べたらどのような症状になったか…、何時ごろに○○が悪くなった…など)
  • 自分は現在どのような状態であるのか。
    (ガンの疑いがあるのか、あるいはガンが確定しているのか、またそれはどの検査でわかったのかなど、検査結果を基に説明してもらいましょう)
  • 今後の検査の進めかたについて。
    (これからどのような検査をどのような目的で行い、またそれに伴う苦痛や費用などについて説明してもらいましょう)
  • 今後の治療方法とそれを選択する理由。
    (個人の状態(年齢・合併症)などを考慮して治療法を選択することになります。ここでも選択の理由を十分に説明してもらいましょう)
  • 治療によって何が得られるか。
    (その治療を受けることにより、期待できる効果と、治療に伴う副作用、治療にかかる期間および費用について聞きましょう。また、その治療を行わなかった場合には、これから病状がどのように進行していくのかも聞いておきましょう)
  •  

    患者側がインフォームドコンセントで医療者側に求める事例

    1. もっとわかりやすく、説明してほしい
    2. 手術の前、抗癌剤投与の前、治療の選択が必要なとき、その都度説明してほしい
    3. 十分な時間と、プライバシーを守れる場所を用意してほしい
    4. 患者の心理をもう少し考慮して、医師の対話技術を向上させてほしい
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