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病気の正体を知る/病気について学ぶ
「ガン」

日本人の死因の第1位はガンです。厚生労働省の人口動態調査によると、年間の全死亡者数にガンの占める割合は25%で4人に1人はガンで亡くなっていることになります。なかでも40歳代から60歳代にかけてのガンによる死亡者数は3人に1人となっています。では、ガンとはどういう病気かを知り、その予防法、治療法などを紹介します。

 
ガンとはどんな病気か
様々なガンについて
ガンでは?と思ったら
ガンを予防するには
ガンに関するデータ
ガンを予防するには

ガンは、怖い病気だと思われています。確かに画期的な治療法や、特効薬が発明されていないのは事実です。しかし、ガン細胞はもともとは私達の体の細胞にあるものです。その細胞が突然変異により悪性のガン細胞になってしまったのが「ガン」という病気です。そして発症原因を調べてみると、日常の生活習慣に大いに関係していることが判明しました。
逆に考えると、生活習慣に少しだけ気をつければ、ガンは予防できるものなのです。では、どのように生活習慣を改善すればいいのでしょうか?

 
 

漢方医学の診断と治療は弁証論治です。弁証論治とは、人体を表す「証」を弁別し、治療方針を決め、漢方薬を選んでいくことです。漢方薬は、この弁証論治に基づいて、さまざまな生薬を組み合わせて処方します。

ガンに対する漢方薬の処方も「証」に合わせて複数の方剤を組み合わせています。漢方薬は、免疫力向上を促し、体の治癒力・回復力を高めます。ガンに限らず生活習慣病などすべての病気に対して成果の大小はありますが、元々の原因が食生活などにある事が多い為、漢方薬は効果的な予防策といえます。

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以前からガンの発生は国や地域によって異なるとされてきました。なぜなら、病気の原因が生活習慣にあるからなのです。たとえば過去のデータでアメリカと日本を比較した場合、アメリカでは大腸ガンが多く、胃ガンが少ないのに対し、日本では胃ガンが多く大腸ガンはそれほど多くはありませんでした。これは食生活の違いに原因があるといえます。そして現在は、わが国でも食生活の欧米化が進み、かつてのアメリカと同様の状況になってきています。

ですから、生活習慣の一つである食生活を改善することで、大半のガンを予防できるといわれているのです。

~ デザイナーフーズ計画 ~
1990年にアメリカ国立ガン研究所を中心として、『デザイナーフーズ』計画がスタートしました。その目的は、野菜や果物、香辛料、穀物などの植物性食品に含まれる成分が、ガン予防にどのような機能を果すのかを科学的に解明することです。そしてそのなかから、ガン予防に高い効果をもつとされる約40種類の植物性食品が挙げられました。

上記のピラミッドで上にある食品ほど重要性が高いといえますが、ガン予防効果をランクづけしているわけではありません。上のものほど『ガン予防を期待できる』という疫学調査の報告数が多いことを表しているのです。これらの食品を積極的に取り入れれば、ガン予防の可能性をぐっと高めることができるわけです。

上記以外でガン予防が期待できる野菜
カイワレ・かぶ・海藻類・大根・にら・わさび・さつまいも・かぼちゃ・ごま・せり・青じそ・パセリ・ほうれん草。

では、上記の『デザイナーフーズ・ピラミッド』の上位にランクインしている、日本でも馴染みの深い食材の特徴と、知っておくとお得な情報を紹介しましょう。

ニンニク

【解説】 昔から東洋・西洋問わず、強壮剤として使われてきました。臭いの成分に薬効があります。ニンニクの臭いの成分であるアリルイソチオシアネートにガンを予防する効果があることがわかっています。また、ニンニクの芽(茎ニンニク)は緑黄色野菜に分類され、カロチン、ビタミンB1・B2・C、鉄、食物繊維などが多く含まれ、さまざまな生活週間病の予防に役立ちます。
【お得な情報】 ビタミンCやUは水に溶けやすく、熱に弱いので、効率よく摂取するには生がいちばんです。加熱する場合も短時間で処理しましょう。

キャベツ

【解説】 古代より薬効をもつ野菜として珍重されてきたキャベツには、ビタミンCが多く含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成を促します。コラーゲンがしっかりと生成されていれば、毛細血管、歯、軟骨、結合組織などは丈夫に作られます。そのほか、風邪やガンの予防に役立つことも知られています。

キャベツ特有の成分として、胃腸の潰瘍を治す働きのあるビタミンUが含まれています。またセルロース、ヘミセルロース、ペクチンなど、便通を整える働きのある成分も豊富に含まれています。
【お得な情報】 ビタミンCやUは水に溶けやすく、熱に弱いので、効率よく摂取するには生がいちばんです。加熱する場合も短時間で処理しましょう。

大豆

【解説】 大豆は古くから日本人の貴重なタンパク源。大豆の脂肪には不飽和脂肪酸のリノール酸が多く、コレステロール低下作用があります。さらにビタミンB1・B2、食物繊維が豊富に含まれています。大豆タンパク質が消化される過程でできるペプチドには、コレステロールや中性脂肪を低下させる作用があります。また、大豆を煮るときに泡立つサポニンには抗酸化作用があり、ガンを予防する効果があることがわかっています。
【お得な情報】 大豆のタンパク質にはリジンというアミノ酸が少ないので、動物性のタンパク質と組み合わせればタンパク質の質はよくなります。

ただ、湿気があると品質が低下するので、乾燥した状態で保存すれば長期にわたっての保存が可能です。

ニンジン

【解説】 ニンジンにはアルファカロチン、ベータカロチン、リコピンが含まれています。ベータカロチンにはガンを予防する働きがあります。細胞膜や遺伝子を傷つけ、細胞をガン化させる活性酸素を消去し、無毒化してくれます。ニンジンのカロチンは、とくにすい臓ガン、肺ガンなど喫煙に関連するガンを抑える効果とともに、動脈硬化を防ぐ働きもあります。また、アルファカロチンとリコピンにも同じように強力な抗酸化作用があり、ガンを予防する働きがあります。
【お得な情報】 ニンジンは油で調理することが必須です。ニンジンにはアスコルナーゼというビタミンCを破壊する酵素が含まれていますので、サラダなどで生のまま食べると、ほかの食品に含まれるビタミンCを破壊する可能性があるからです。

タマネギ

【解説】 タマネギは淡色野菜の仲間に入ります。特有の強烈な臭いの成分は硫化アリルで、これはビタミンB1と結合してアリチアミンとなり、ビタミンB1の腸管からの吸収を促進します。また、糖質がエネルギーになるにはビタミンB1が必要とされますので、夏場などビタミンB1の不足しそうな時期には効果的です。また、硫化アリルにはコレステロール低下作用、血圧降下作用、血栓溶解作用、血糖値低下作用、ガン予防効果などが認められます。
【お得な情報】 タマネギの辛味は加熱により消え、甘味に変わります。また、サラダなどにも使える万能な野菜です。冷蔵庫に入れる必要はなく、風通しのいい場所で保存できます。

トマト

【解説】 トマトは緑黄色野菜に分類されます。ビタミンCが100g中20mgと、春菊と同じくらい含まれています。トマトの赤色の色素はリコピンといい、強力な抗酸化作用があります。乳ガン、肺ガン、肝臓ガンを予防するといわれています。また、完熟トマトにはカリウムが含まれています。カリウムは体液の浸透圧の調整に関与し、余分なナトリウムを排泄し、高血圧の予防に効果的です。
【お得な情報】 ビタミンCやリコピンなどの抗酸化作用物質をまとめて摂るには、生で食べることです。完熟のトマトは5℃くらいの低温で、未熟なものは21℃くらいの室温で保存するとよいでしょう。

ピーマン

【解説】 ピーマンは代表的な緑黄色野菜で、ビタミンCを豊富に含んでいます。100gあたりで」普通のピーマンは80mg、黄ピーマンは150mg、赤ピーマンは170mgと、非常に多く含んでいます。ビタミンCはコラーゲンの形成を促し、毛細血管、歯、軟骨、結合組織などを丈夫にしてくれるとともに、風邪やガン予防に役立ち、ストレスの緩和にも効果を期待されています。また、ピーマンに含まれるカロチンやポリフェノールなどもガン予防に効果的であるとされています。
【お得な情報】 赤ピーマンは緑ピーマンに比べると栄養価も高く、肉厚で甘味があります。逆に臭いが弱いので生食に適しています。ピーマンは葉ものに比べて加熱、調理、保存によるビタミン類の損失が少ないので、これらの供給源として期待できます。

レモン

【解説】 レモンといえばビタミンCというように、100g中に90mgも含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成を促進します。また抗酸化作用があり、活性酸素を除去し、動脈硬化やガンを予防します。フラボノイドの1種であるヘスペリジンも含まれていて、これもガン予防効果があることがわかっています。
【お得な情報】 調理用や飲み物に広く利用されます。フラボノイドは皮にも含まれるので、きれいに洗い皮も利用したいものです。また低温で長時間保存すると低温障害を起こします。したがって、保存は室温で十分です。

ブロッコリー

【解説】 ブロッコリーにはカルシウム、鉄、カロチン、ビタミンC・B1・B2・E・K、食物繊維などが豊富に含まれています。とくにビタミンCは野菜の中でもっとも多く、レモンの2倍、ジャガイモの7倍くらい含みます。またカリウム、カルシウム、クロムなども含んでいますが、クロムはインシュリンの効果を促進するため、糖尿病に有効です。
【お得な情報】 さまざまな料理に広く利用されるブロッコリーですが、保存の方法は茎を下にして冷蔵庫で保存しましょう。たくさんある場合は、さっと湯通ししてから冷凍します。
上記の『デザイナーフーズ・ピラミッド』の中にランクインこそしていませんが、ガン予防といえば、きのこ類を欠かしてはいけません。そのなかでもっとも馴染みの深い、シイタケを紹介します。

シイタケ

【解説】 キノコに含まれるベータ-D-グルカンなどの多糖類には抗腫性効果があります。免疫力を高める作用をもち、ガン細胞を撃退したり、体内に侵入した細菌や異物を殺します。また、病気に感染しても発病を抑制する働きがあります。シイタケに含まれているエリタデニンのような特殊成分には、血中のコレステロールを低下させる働きがあるので、動脈硬化の予防になります。食物繊維は便秘の予防にもなり、これに関連して大腸ガン予防としても期待されます。干しシイタケの水戻り液には血圧降下作用もあります。またビタミンDも豊富で、乳ガンや皮膚ガンの予防や、ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨粗鬆症の予防にも欠かせません。
【お得な情報】 ビタミンDはカルシウムといっしょに摂ることが大切です。いろいろな食品との組合せにより、栄養的にもバランスがとれます。また、干シイタケは保存性がよいのですが、生のものは水分が多くあまり長持ちしません。もし残ってしまったら、乾燥しないように新聞紙に包んで冷蔵庫で保存しましょう。
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ガンに良い食材のウソ・ホント
●野菜をたくさん食べればいいというわけでもない
 
ガン予防成分の多くは、食いだめが出来ません。食後血中に入った成分は、8時間後にはその80%が役割を終えてしまうため、1度に大量に食べたからといってガン予防効果が高まったり、持続するわけではありません。食いだめは過剰摂取の危険性があります。
 
●偏った食事はガン予防効果を期待できない
 
偏った食べ方はガン予防効果を期待できないと前述で記載しましたが、他にも注意しなければいけないことがあります。まず、体によいと言われている食品ばかり食べていても効果を期待することは難しいでしょう。むしろ過剰摂取の危険性があります。また同じ科の野菜など毎食、少しずつ食べつづけた場合、これは過剰摂取の心配はありませんが、ガン予防効果は思ったほど期待は出来ないでしょう。同じ科の食品には共通したガン予防成分が含まれていることが多いようです。つまり成分が偏ってしまうため、ガン予防効果をあまり期待できないという結果になります。
 
サプリメントだけに頼るのも危険
 
フィンランドで以前、喫煙者にガン予防効果があるといわれていたベータカロチンを毎日与え、肺ガンになる確率の増減を調べる実験が行われました。驚くべきことに、ベータカロチンを毎日摂り続けた喫煙者の方が、通常の生活をしていた喫煙者よりも肺ガンになる確率が18%も増えてしまったのです。つまり同じ食品や、単一の成分ばかりを摂るのではなく、様々な食品をまんべんなく献立に取り入れ、ガン予防に取り組むことが大切なのです。
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玄米菜食中心の食生活によって、ガンをはじめとする生活習慣病を予防しようという考え方を基本とします。 欧米型の食生活が多くなり、脂肪の摂り過ぎによる肥満・成人病が増えています。また、環境汚染が年々悪化の一途をたどっています。精製された食べ物が増え、ミネラルや植物繊維が捨てられてきています。

カロリーはあっても栄養素がほとんどないレトルト食品、ジャンクフード、砂糖が大量に入っているドリンク商品など、生活習慣病を引き起こす原因ともいえる食品が大量に世の中に溢れています。その結果、正常細胞がガン細胞へと変貌し、ガンだけではく、糖尿病、心臓病といった生活習慣病を蔓延させてきました。

生活習慣病ある日突然起こるのではなく、子供の頃からファーストフード、コンビニの弁当などによる不規則な食生活が原因で、大人になって身体に大きな心身の代償を払わされていますマクロビオティックでは、食べ物を「陰=身体を冷やす食べ物」と「陽=身体を温める食べ物」に分け、お互いを調和させた食生活を摂れば、生活習慣病を防ぐことができます。

 

陰性の食品 ・・・ 白米、冷凍食品、缶詰食品、アイスクリーム、香辛料、砂糖、アルコール、化学物質や防腐剤や着色料等を含む食品など
陽性の食品 ・・・ 卵、チーズ、鶏肉、魚介類など
均等な食品 ・・・ 玄米、豆類、緑黄色野菜、海藻類、お茶、植物油など

 

陰性と陽性、お互いを調和させた食生活を摂取すれば、生活習慣病を予防する事が出来ます。偏った食生活は、身体を酸化させてしまい、血液をドロドロにする原因となります。バランスの摂れた食生活を送ることによって、体内の血液循環を良くさせる効果があります。

脂肪もたくさん摂ることは望ましくありません。動物性・植物性どちらの脂肪でも、総脂肪量が増えることで、肺・乳腺・大腸・前立腺ガンになる確率が上がります。また、動物性の飽和脂肪酸の過剰摂取によって肺、乳腺、大腸、前立腺、子宮内膜にガンができやすくなります。脂肪は動物性のものよりも、植物性のものを摂ったほうが、食事のバランスは取れるでしょう。

繊維質はとくに大腸ガンに有効だといわれています。摂取した繊維質に体内の発ガン性物質が吸着し、体外に排泄されるのです。また、コレステロールが代謝されてできた胆汁酸は、体内で発ガン性をもつ物質ですが、その胆汁酸の排泄を助けます。

緑黄色野菜を多く摂っている人ほど発ガン率が低いことが、さまざまな調査で確認されています。ニンジン、小松菜、ほうれん草、春菊、ニラ、チンゲン菜、ブロッコリー、かぼちゃなどの野菜には、ガン促進物質の効力を弱めるビタミンCを含んでいます。さらにビタミンEには、発ガン物質の生成を抑える働きがあります。また、これらの野菜には食物繊維も豊富に含まれています。しかし、注意してほしいことは、緑黄色野菜の過剰な摂取は逆に発ガン率を高めてしまうというデータもあるということです。
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日ごろ習慣になっている行動がガンの原因になっていることから、ガンは生活習慣病とも呼ばれています。このことから、日常の生活習慣を改めることは、ガンの予防に繋がると考えられます。

喫煙は肺ガンに大きく関っていることはみなさんもご存知だと思いますが、それだけではありません。喉頭ガン、乳ガン、食道ガンなどの発生率を高めていることもわかっています。
喫煙者を非喫煙者と比べた場合、喉頭ガンで30倍以上、肺ガンで4倍以上の発ガン率になっています。いまからでも遅くはありません。禁煙を心がけましょう。

WHOの疫学の研究で、口腔内、咽頭・喉頭、食道、肝臓は飲酒で発ガンし、「アルコールは人体に発ガン性を有する。」と結論を出しました。また、タバコを吸いながらの飲酒は大腸ガンになりやすいともいわれています。アルコールの1日の適量は、純アルコールで20gですので、ビールで中瓶1本、日本酒で1合、ワインなら1杯、ウィスキーならダブルで1杯といわれています。また、週に2日は休肝日を設けたほうがいいでしょう。

食事によるカロリー過多と運動不足による肥満が、ガンやほかの生活習慣病の原因となっています。とくに最近日本で増えている、女性の乳がんの原因として危惧されています。運動をすることによって、これらの危険な要因を排除することができます。運動といっても激しいものではなく、いままで運動をしていなかった人は日常生活を活発にし、運動をしていた人はちょっとした工夫でさらに効果を高めるなど、日常の生活を中心として体を動かすようにしまよう。
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