肝臓ガンには特有の症状は少なく、食欲不振、全身倦怠感、腹部膨満感、便通異常(便秘・下痢)、尿の濃染、黄疸、吐血、下血、腹痛、貧血症状(めまい・冷や汗・脱力感・頻脈)など、肝炎や肝硬変による肝臓障害としての症状が主。また、ガンが大きくなると、みぞおちにしこりを感じるようになる。
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血液検査:
ガンが発症すると、血液中に特異な物質が増えることがあり、これを腫瘍マーカーと呼ぶ。肝臓ガンの場合はAFP(α-フェトプロテイン)とPIVKA-Ⅱ(ピプカⅡ)という腫瘍マーカーの検査を行い、血液中の量からガンの有無を調べる。
超音波検査:
直径1~2cm程度のガンも発見できるので、早期発見には有効な検査。
CT(コンピュータ断層撮影)検査:
超音波検査で発見できない場合などに行われる。
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手術療法と非手術療法がある。放射線療法は、放射線を照射された肝臓が障害を受けるため、肝臓ガンではあまり行われない。
手術療法:
- 肝切除術
肝臓をいくつかに分け、ガンのある領域全体を切除するが、ガンの取り残しが少なく、再発防止に有効。ガンが大きくて肝機能が低下している場合は、部分切除(ガンとその周囲だけを切除)する方法もある。
- 肝移植
健康な人からの移植(生体肝移植)と、脳死ドナーからの移植がある。
非手術療法:
- エタノール注入療法
ガンの位置を超音波で確認しながら、体外からガンに針を刺して、エタノールを注入する。エタノールには、たんぱく質を凝固させる作用があり、ガン細胞に注入するとガン細胞が固まって壊死する。
- TAE(肝動脈塞栓術)
肝動脈の血流を止めて、ガン細胞に栄養がいかないようにして、壊死させる方法。太ももの付け根の動脈からカテーテル(細い管)を入れて肝動脈まで送り込み、小さなスポンジ片で血流を止める。この治療法は、肝臓全体に広がっている進行性のガンに適している。
- ラジオ波焼灼療法
マイクロ波とは周波数の異なる電磁波を当てて、ガン細胞を固める。
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