それでは、脳卒中の種類の中でもほとんどを占める病症―脳梗塞、脳出血、くも膜下出血について詳しく説明しておきます。
●脳梗塞
動脈硬化などのために動脈が狭くなったり、あるいは動脈や心臓内に出来た血の固まりが脳の動脈に流れ込み、詰まってしまうために起こるもので、その血管によって栄養を受けている部分の脳組織に、血液がいかなくなり破壊されて、脳の軟化を起こします。
突然、発症するもの、段階的に増悪するものなど、症状により様々ですが、多くの場合、前ぶれの症状としてめまい、頭痛、舌のもつれ、手足のしびれ、半身マヒや昏睡などになります。
●脳出血
脳の血管が破れて出血をおこすもので、多くの場合深い昏睡とともに半身のマヒが起こります。脳内出血の誘因として疲労、精神不安、寒冷刺激などが多く、また激しい活動中にも起こることが多いものです。高血圧が慢性的に続いていると、細い血管の一部がふくらんでコブのようなものがいくつもでき、さらに高血圧の強い圧力が加わると、その一部が破裂して脳組織に広がり、出血となって脳障害を起こします。
●くも膜下出血
脳は、クモ膜という膜でおおわれていますが、くも膜と脳の表面との間にある小さな動脈にこぶ(動脈瘤)があると、血圧があがった時などに破れて出血(脳動脈瘤破裂)し、クモ膜下出血になります。頭痛がひどく悪心、嘔吐があり意識が混濁しますが、四肢の麻痺は通常おこりません 。
高齢者だけでなく、20代、30代と比較的に若い人にも起こります。極度のストレスや排便中、過度の仕事をしたときなど、急に血圧が変動したときに発症するケースが多く見られます。頭全体が割れるように激しい頭痛が走り、吐き気や嘔吐をともない、激しい場合は意識障害を起こします。
ただ、重症例以外は一時的で、元に戻るケースも多く、繰り返すようですと、再度、くも膜下出血を引き起こす可能性がありますので、専門医の診断を受けるべきです。 |