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病気の正体を知る 病気について学ぶ

脳卒中

脳卒中(脳血管疾患)は循環器の病気の一種です。日本人の死因ではガン、心臓病(心疾患)に次いで第3位となっていますが、命をとりとめたとしても、多くは手足のマヒ、言語障害などの後遺症が残り、寝たきりになるケースも多くあります。

ここでは、脳卒中(脳梗塞、くも膜下出血、脳出血など)の症状、治療、予防や後遺症についてお役に立つ情報を紹介します。

 
矢印
矢印 後遺症とリハビリについて
矢印 脳卒中の危険因子について
矢印 脳卒中の前ぶれについて
矢印 脳卒中の予防10カ条
矢印 近年の脳卒中の治療法
矢印 脳卒中についてのQ&A

 

脳卒中ってどんな病気

 
脳卒中とはこんな病気

脳卒中とは、脳に酸素や栄養を送っている脳の血管が破けたり(脳内出血)、詰まったり(脳梗塞)して、血液が脳の先まで行かない状態や脳血管の一部が壊死する障害で、脳の働きに支障を生じることによって起こる脳血管障害です。急に手足の麻痺やしびれ,あるいは意識障害などの症状が出た状態をいいます。

昭和40年代から死亡率は下がってきましたが、現在も国内の死亡原因は、ガン、心臓病に次いで3位となっています。死亡率は下がってきましたが、患者数はむしろ増加しています。脳卒中で一度倒れると、後遺症が残り、生活が困難となりリハビリの重要性が高まってきております。

昭和55年頃までは、脳卒中は日本人の死亡原因の第1位でした。その後、少しずつ減少していき、平成16年の統計では悪性新生物(がん)、心疾患に次いで第3位になっています。死亡総数は全体の12.5%で、12万9055人でした。 下図は、その内訳です。

脳血管疾患による死亡

脳血管疾患による死亡の割合

 
脳卒中の種類

医学の発達や知識の普及により、脳卒中による死亡者数やその罹患数は少しずつ減少してきましたが、ここ数年はあまり変化がみられないようです。そして、近年の食生活の変化にともない、1970年代半ばから脳梗塞の発症数が脳出血を上回るようになりました。けれども、医学技術の進歩によって死亡者数は確かに減少傾向にありますが、入退院を繰り返したり、また、脳卒中による後遺症が深刻な問題となっています。ではまず、脳卒中の種類や症状について説明しましょう。

脳出血
くも膜下出血
ラクナ梗塞
アテローム梗塞
心原性脳塞栓症

[ 脳出血 ]
脳内の細い動脈がもろくなり、破れて出血する。
症状:昏睡状態、半身麻痺など

[ くも膜下出血 ]
動脈瘤(脳動脈にできた瘤)が破れて、くも膜下腔(脳の表面)に出血する。
症状:頭痛、悪心、嘔吐、意識の混濁など。

[ ラクナ梗塞 ]
ラクナとは「小さな穴」という意味。脳の細い動脈が詰まって血流が止まり、その先の脳細胞が壊死する。
症状:意識がなくなることはない。朝晩の手足のしびれ、ろれつが回らないなど。

[ アテローム梗塞 ]
アテローム硬化(動脈硬化)によって血管の内腔が狭くなり、そこに血栓ができて詰まる。
症状:片マヒ、感覚障害、言語障害、意識障害など。合併症の危険性あり。

[ 心原性脳塞栓症 ]
不整脈などが原因で、心臓にできた血栓がはがれて、脳内の血管に流れ込んで詰まる。
症状:症状は急にあらわれ、意識の喪失、死に至る危険性も高い。心臓病患者は要注意。


 その他
一過性虚血発作

一時的に脳の血流が途絶える。脳梗塞の前駆症状。
症状:めまい、手足に力が入らない、一時的な記憶喪失、舌のもつれなど。少し休めば症状は緩和される。

高血圧性脳症

高血圧がひどくなり、脳の内部にむくみが起こる。
症状:頭痛、嘔吐、手足のけいれんなど。ひどくなると失明の危険性あり。


脳卒中の種類

それでは、脳卒中の種類の中でもほとんどを占める病症―脳梗塞、脳出血、くも膜下出血について詳しく説明しておきます。

●脳梗塞
動脈硬化などのために動脈が狭くなったり、あるいは動脈や心臓内に出来た血の固まりが脳の動脈に流れ込み、詰まってしまうために起こるもので、その血管によって栄養を受けている部分の脳組織に、血液がいかなくなり破壊されて、脳の軟化を起こします。
突然、発症するもの、段階的に増悪するものなど、症状により様々ですが、多くの場合、前ぶれの症状としてめまい、頭痛、舌のもつれ、手足のしびれ、半身マヒや昏睡などになります。

●脳出血
脳の血管が破れて出血をおこすもので、多くの場合深い昏睡とともに半身のマヒが起こります。脳内出血の誘因として疲労、精神不安、寒冷刺激などが多く、また激しい活動中にも起こることが多いものです。高血圧が慢性的に続いていると、細い血管の一部がふくらんでコブのようなものがいくつもでき、さらに高血圧の強い圧力が加わると、その一部が破裂して脳組織に広がり、出血となって脳障害を起こします。

●くも膜下出血
脳は、クモ膜という膜でおおわれていますが、くも膜と脳の表面との間にある小さな動脈にこぶ(動脈瘤)があると、血圧があがった時などに破れて出血(脳動脈瘤破裂)し、クモ膜下出血になります。頭痛がひどく悪心、嘔吐があり意識が混濁しますが、四肢の麻痺は通常おこりません 。
高齢者だけでなく、20代、30代と比較的に若い人にも起こります。極度のストレスや排便中、過度の仕事をしたときなど、急に血圧が変動したときに発症するケースが多く見られます。頭全体が割れるように激しい頭痛が走り、吐き気や嘔吐をともない、激しい場合は意識障害を起こします。
ただ、重症例以外は一時的で、元に戻るケースも多く、繰り返すようですと、再度、くも膜下出血を引き起こす可能性がありますので、専門医の診断を受けるべきです。

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