■ キトサン
LDL(悪玉)コレステロールを低下させる
キチン・キトサンは、カニの甲羅やエビの殻に存在する多糖類の一種。ヒトの消化酵素で消化されないという意味では、キチン・キトサンは動物性の食物繊維である。
甲殻類の殼からタンパク質やカルシウムなどの成分を除いたものがキチン。キチンをアルカリ溶液で処理するとアセチル基が除かれ、キトサンになる。
キトサンの効能はLDLコレステロールの低下作用。動脈硬化の予防および抑制作用。慢性腎不全に伴う貧血や電解質異常の改善作用。肥満や高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の改善効果。
キトサンは、経口摂取のあと、消化管内で胆汁酸や窒素代謝物、リン脂質、コレステロール、脂溶性ビタミン、カルシウムなどと結合し、効果を発揮すると考えられる。脂肪の排泄増加という作用は明らかではない。
これまでに5つの臨床試験において、キトサンとカロリー制限による食事療法との併用による抗肥満効果が認められた。
ただし、便中の脂肪排泄量に関しては両群間での有意差は示されなかった。また、有害事象の発生頻度には両群間での差は認められなかった。この結果から、キトサンによる抗肥満作用が示唆される。
※書籍「サプリメント事典 第2版」 医学博士・蒲原聖可 著 より転載
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